Hibinokoto 日々のこと

小野哲平展 Teppei Ono ceramic exhibition開催中です

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ギャラリーでは小野哲平 陶展を開催中です。
今回は、たくさんの薪窯のうつわと、用途を特定しない作品が並びました。

IMG_5721_r.jpg薪の火で焼成されたうつわは、それぞれ違う表情をもっています。お客さまのお一人が、並んだ皿を見て「宇宙みたい」とおっしゃっていたのが印象的でした。一つのうつわの中にも、面裏、高台、見込みなどそれぞれに見どころがあり、じっと見つめていると木や石や水など自然物と重なって見えるような瞬間があります。
手に持つと、しっくりとなじむ「たなごころ」があります。どっしりとしているのに、思いの外軽く、これでご飯を食べたら、お茶を飲んだら美味しいだろうなと思わされます。哲平さんのうつわを愛用されているお客さまは、会場に入った途端「美味しそう!」と一言。使った様子が直感的に浮かぶうつわなのだと思います。

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今回の展示では、香川県産の檜を使ったパレットを展示台としました。
会場に入ると檜のいい香りと、哲平さんのうつわに包まれます。

その中で異彩を放つのが、「用途を特定しない」と先ほど表現した作品群です。一般的には「オブジェ」などと表現されることが多いですが、哲平さんからはその言葉に違和感がある、とのことでこのような表現を用いました。
題名には「debris(デブリ)」とあります。広島の原爆資料や東日本大震災・福島の原発事故などからインスピレーションを受け、名付けられたそうです。陶に鉄やステンレスなど金属が溶けあったり、相反したりしている作品は、同じ土と火でできていながらも、人を包むような先ほどのうつわとは真逆のもの。けれど、目が離せない存在感があります。

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初日には『ものづくりラヂオ「どうしたら自由になれるのか?」』と題したトークイベントを開催しました。
ものづくりを実際にしていらっしゃる方や、職人、移住の方、芸術に関わっている方など、さまざまな方にお集まりいただきました。哲平さんが土の仕事を志した理由が「自由に生きたい」「生き方を他者から押し付けられるのではなく自分で決めたい」という気持ちからだったとのお話しからスタート。自由を獲得するには、いい仕事・責任ある仕事をしてかなければならない、と。そこから参加者それぞれの意見や職業のことなどを交えてトークセッションが始まりました。哲平さんの映像を作ってくれた、音楽家のOOWETSさんも登壇し、哲平さんのリクエストをもとに音楽を流したり、そのミュージシャンのライブ映像をみんなで見たり、合間で参加者とのトークをしたり、とまさしくフリーセッションとなりました。

IMG_5745_r.jpg小野哲平 陶展は5月7日(日)までの開催です。
この機会にぜひ、作品を実際に手に取ってご覧ください。

小野哲平 陶展
Teppei Ono ceramic exhibition
2023年4月22日(土)〜5月7日(日)
11:00〜19:00
まちのシューレ963 ギャラリー